第22章 月と馬
ー月島sideー
『あぁ、ちょっと待って。わたし、取り残されています!』
だって。笑
「一つずつ言い直しましょうか?」
『あぁ、そうだね。噛み締めたい。んと、自立の後からお願いします』
「かわいらしいとこです」
『え?そんなこと言ってたっけ?』
「言ってなかったですっけ?年上らしさもかわいらしさもどっちもあって魅力的です」
『…ひゃあ………』
「健康的なとこ」
『うれしい。 日焼けも関係してるの?色白好きな人多いのに』
「そうですね、魅力の一つです。日焼けしてるけど、みずみずしくって綺麗だし」
『やだ、蛍くんなんか、どうした?』
「どうもしてませんけど。…あと所作が綺麗です。
ダンスしてるからですかね、なんかちょっと違う気もしますけど。
和装してするようなこと、何かしてましたか?」
『あ、うん。日常的にではないけど、お茶とお琴を少々』
「…やっぱり。その外見からのギャップも魅力です。
あとは、唇が柔らかいとこですね」
『やっ 柔らかい? へっ?』
「柔らかそう、って言ったんですけど。 僕の髪が柔らかそうで触りたくなるって言ってましたよね。
あんな感じです。柔らかそうで、触れたくなります」
『あ、そっか。 柔らかそう? ほんと? よかった… って、ん?』
「あと、そういうとこも」
『へ?』
「僕の言ったこと信じるとことか」
『…ほぉ』
「抱きしめたくなりますね」
『…はい?』
「触りたくなるが魅力なら、抱きしめたくなる、も魅力ですよね」
『…あ、はい。そうだと思います』
「…あははッ 笑 ほんとかわいい人ですね」
『…え、ちょっと蛍くんからかってるでしょ?』
「いえ、全く」
『〜〜………調子狂うなぁ……』
「あははッ やったね。いつも調子狂わされっぱなしだったから」
『………』
「…じゃ、僕からも質問しますね」
『…あぁ、はい。どうぞ』