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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第22章 月と馬






「俺がその、彼だとしたら… きっと彼と同じようなことを言うし、
寂しさもある程度の我慢も耐えるつもりだと思うけど。
それは、必要のないものじゃないと思うよ」

『うーん、そうだよね。頭ではわかるし、わたしも絶対そう思うんだよなぁ
なんかふにゃふにゃしてるよね、わたし』

「いいんじゃないかな。そういう部分を無視するよりずっといいと思う」

『…そっか。 そうだよね。 押し切ってもね、そうだね。
こういう感情も味わって決めればいっか。 そっか!京治くんすごい』

「…まだ、時間大丈夫?」

『あ、時間。 うん、まだ大丈夫』





洗濯を干し終わったみたいだったので、確認をしておいた。





「俺も、ちょっと聞いてみてもいいかな」

『うん!もちろん』





穂波ちゃんはかごを抱えて俺の隣に座る。
大きな石だけど、2人で座ると肩が触れてしまいそうな距離。
慣れてはきたけど、やはり、触れたいという衝動には何度もかられる。

まださほど触れたことのない俺でも、
理性で抑えてるというのに、
もう感触や温もりを知ってる孤爪はどんな心境で、
穂波ちゃんを送り出すのだろうか。





『………』

「あ、ごめん、ちょっと考え事をしてしまった。
えっと、穂波ちゃんは恋人のいる人を好きになったこと、ある?」

『…ほぉ。 …ある、かな。でも想い続けてないからな、ないのかな』

「…ん?」

『憧れに近い恋だと、あるのかな。中1のときにお兄ちゃんの友達のこと好きだった。
けど、京治くんのそれとは、なんか違うんじゃないかなぁとなんとなく。
京治くんの好きな人には彼氏がいるの?』

「うん、そうなんだよね。
一目惚れに近かったから、彼氏がいるって知ったときにはもう恋に落ちてた」

『恋に、落ちてた…』

「…言い回し、変だったかな」

『ううん、そんなことない。すっごくいいと思う、キュンとしちゃった』

「キュン?」

『…こう、胸がキュンって、こう… あぁ、説明できない。京治くん、お話続けて?』

「あぁ、うん。俺はその子に恋人がいても関係がないというか。
好きな気持ちに何も変わりがないんだ。
だから、好きでいるんだけど、そういうのってどうなのかなって思って。
穂波ちゃんはどう思う?」











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