第22章 月と馬
「…ゴホッ………ケホッ………」
また、グループLINEに写真が送られてきた。
今度はアキくん。
【じゃ、俺からも、かわいい研磨へ】
タヒチの深い蒼色や透き通った青色の海の写真が4枚。
…の次に、水着の上に白いTシャツを着て踊ってる穂波の写真。
雨が降ってて黒い水着が透けてる。
…去年のハワイかな。
昨日のことがあったから、
何にも口に入れてない状態で開いたけど、
綺麗な景色の写真だったから油断して水飲んだら最後の写真でむせた。
「おー、なにこれ。すげー神がかってんじゃん」
「…はぁ」
「何そのため息は 笑」
「穂波の写真が送られてくる…」
「いいじゃん、保存しとけば。会えない時とか使えるじゃん。今日もツトムくん?」
「今日はアキくん」
「…へぇ そっかアキくん映像とかするから写真も撮るんだな。
普通の兄さんが妹のこんな写真持ってたらちょっと疑うけども…」
「…ねぇ、使えるってなに?」
「………研磨くんには関係ないことでした」
「…?」
「フラ踊ってる動画もくれーっつっとけば?笑」
「…いい、別に。そこにいるし」
「…まぁそうだわな」
…でも保存しとかなきゃ消えちゃうんだもんな。
どっちも驚いたけど綺麗な写真だし、保存しとこ。
「ちょっと、いまのもっかい見せて」
「…ん」
「いやこっちじゃなくて、サーフィンの方」
「………」
「何よ、その目。綺麗なものは見たいんだよ、穂波ちゃんそれで普通に海にいるんだろ?
俺が見たって穂波ちゃんは別にどうってことねーだろ」
「おれがやなの」
「………じゃ、しょうがねぇか。って、Tシャツ透けてる方も十分エロいけどな」
「………」