第5章 夏
部室について着ているジャージのにおいを嗅ぐ…
昨日部活の後着替えたもので、帰るときしか着てないけど
夏だから歩いてるだけで汗をかく。
臭くはないけど…着替えとこ。
クロが着替え持ってきてくれてほんと助かった。
「へ?何で研磨、練習前から着替えてんの?」
「!」
虎に聞かれてびっくりする。
クロ「………(ニヤニヤ)」
「…ちょっとなんか……汗かいたし」
山本「なーに言ってんだよ、汗なんてこれからもっとかくだろって!」
「……ん」
クロ「…先行ってるぞー」
山本「あ、俺ももう行けるっス!」
「…ん」
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午前中の練習が終わって、
汗だくのウェアを着替えてから弁当を食べる
海「なぁ、研磨。どこか痛めてるのか?」
山本「あ、それ俺も思ったっス」
黒尾「……………(ニヤニヤ)」
「……あ、うん…ちょっと。……でも大丈夫」
海「本当か?無理はするなよ」
「…うん、ありがとう」
黒尾「…なに、どこが痛いの?(ニヤニヤ)」
「………」
夜久「…練習中、腰さすってなかったか?(ニヤニヤ)」
「!」
山本「おい、腰って。無理すんなよ!腰は悪くしたら…」
「………じゃあ、やっぱり今日はかえろ………」
黒尾「ま、研磨が無理な痛みを無視して練習するってこともねぇだろ。大丈夫なんじゃね」
「………」
流れに乗っかって
家に帰ろうかと思ったらクロに阻止された。
「研磨、無理するなよ。……肩のとこ、虫刺されか?随分赤くなってて痒そうだな」
「!………あ、うん…」
「…………(ニヤニヤニヤニヤ)」
「………わ!マジだ!気付かなかったし!」
海くんの優しさが痛い…
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「穂波ちゃーーん!」
午後の練習が終わると、二階のギャラリーに向かって夜久くんが叫ぶ。
声を出さずに手だけを振る穂波の姿。
練習が終わる30分くらい前に来てることに気付いたけど、
虎が知るとうるさそうだから黙っておいた。
多分、夜久くんもだろう。