第21章 スイカ
『週3日で4つレッスン受けてて、あとは、週末に両親の仕事手伝ったり。
長期休みはサーフトリップに国内外に行ったり。
あとね、わたし宮城におばあちゃん家があるんだ実は』
旭「まじか!どの辺?」
『×××だよ。…あ、遊児』
西谷「ユージ?」
『あぁ、ううん、なんでもない』
旭「その、両親の仕事っていうのは?」
『撮影関係とか、お店とか。なんかいろいろ』
旭「もうちょっと詳しく聞かせて」
『サーフィンとアパレルの撮影とか、えっと経営してるお店を普通に手伝ったりとか。
知り合いの飲食店の単発バイトさせてもらったりとか…』
旭「アパレルもしてるのか… また話聞くかもしれない」
『あぁ、うん!興味ある?
うちはサーフ系だけど、普通にアパレルの知り合いも多いから、何かできることあるかも。
わたしじゃなくて、親だけど…』
旭「俺さぁ、大抵の女の子に初見で怖がられるんだけど…
穂波ちゃんは最初から普通〜で。
東京の子だからかなぁって思ってたけど、そうやって大人の人に囲まれて過ごしてるんだね」
西谷「旭さん、自分で老けてるって言ってるようなもんじゃないっすかそれ」
旭「西谷ぁ………」
『えぇっ 怖がられるの!? あぁ、でもどっしりしてるからかなぁ。
わたし初めてみた時から、すごい安心感を覚えたよ。どっしり。穏やかそうで』
旭「あぁ… 和む………大地とスガに聞かせたかった……」
西谷「良かったっすね!旭さん! なぁ、今まで何ヵ国くらい行った?」
『何ヵ国…?いろんな海に行ってるけど、山とか街はそんなに行ったことない。
美術館とかももっと行きたいけど… 今のとこ海沿いが多いよ』
西谷「そっか…国の数じゃねーか。どんな場所に行って何をしたかか!かっこいいな!」
『いやいや…笑 大陸で大きく括ると、中南米はまだ行ったことないかな』
西谷「アフリカはあるんだな」
『んー、一応。でも縦断とかしたわけじゃないし… モロッコと、南アフリカ共和国と。
南アフリカは小さい時にサーフィンしに行っただけだからそんな、自分でってわけじゃない』
旭「いや十分だよ。小さいころに連れてける両親もすごいな。…肝が据わってる」
『あはは 笑 確かに肝は座ってると思う。笑 夕くん、旅に興味があるんだね。
いつか海の外でぱったり会えたらすごいね』