第21章 スイカ
ー穂波sideー
落ち着いたから朝食食べちゃいなさいって言ってもらって、
蛍くんと山口くんのいるとこに座ろうって思った。
研磨くんのとこは人がいっぱいなのと、
多分もう食べ終わるし、
蛍くんはたちは少しあとからきた。
そして山口くんともっと、話してみたい。
『蛍くん、山口くん、ここいいかな?』
山口「あっどうぞ」
月島「………」
『あれ、蛍くん全然進んでないね……』
山口「ツッキー、鼻血出ちゃって。止血してる間食べなかったから…」
『えっ蛍くんも?今日3人目だ。大丈夫?なんだろうね』
月島「えぇ、まぁ、もう大丈夫なんで」
『…それならいいんだけど。 …山口くんはいつも自主練なにしてるの?』
山口「サーブ練習をしてる。ジャンプフローターサーブってわかる?」
『…ごめん、わたし何も知らなくて。知らない』
山口「簡単に言うと、ボールが回転しないサーブ。
だから、急激に落ちたりとか、どう動くかわかんなくてレシーブし辛い…のを、打てるようになりたい」
『へぇ…いつもどこで練習してるの?見に行ってもいい?』
山口「えっ、あぁ…うん」
『やった。じゃあ今日、見に行くね!』
山口「うん。 …じゃあ俺食べ終わっちゃったし、先行くね」
『うん、いってらっしゃい。 蛍くんは、第三体育館だっけ?』
月島「そうだけど来なくていいから」
『はーい』
月島「あの、せっかくなんで質問していいですか」
『あぁ、うん。どうぞ』
正直、蛍くんがこの質問コーナーを続けてくれるなんて、
始めた時には思いもしなかった。
「…趣味はなんですか?」
『へっ!?なんかお見合いっぽ…』
「………」
『趣味かぁ…あ、わたしね、ダンス習ってるの。ここにいる間はお休みしてるし、
この後旅行もいくしで、休みがちなんだけど…』
「…教えてる、とは聞きましたけど」
『へっ、知ってるんだ。教えてるのは、こう一番ポピュラーな現代フラ。アウアナ。
きっと蛍くんもフラって聞いて想像するようなの。
それも週一で習ってる。あとはカヒコっていう古典フラ。厳かで静かな感じ。
もう一つはタヒチアンダンス。フラに似てるけどもっと激しい、エネルギッシュな感じ。
だから趣味は、ダンスかな?』