第21章 スイカ
ー月島sideー
「おはようございます」
今日は穂波さん、朝食当番らしい。
…昨日のこと何も覚えてないよね、きっと。
『あ、蛍くん。おはよう。さっき潔子さんから聞いたの、その…昨日』
「あぁ、はい。とんだ迷惑…」
『うぅ…ごめんね。でもありがとう』
「いえ、別にいいですけど、ちょっと、ご飯多いです」
『あっごめん、減らすね…』
「……」
『…でも昨日すごい幸せだった記憶がだけあるの。
寝る前の、なんだけど、寝てるときも。…蛍くんもその、関係してるのかな、とか』
「さぁ、どうでしょう。気持ちよさそうにはしてましたけど」
『…そっか、きっと抱かれ心地が良かったんだね、うん。ありがとう。はい、ごはん』
「どーも、じゃ…」
抱かれ心地って何さ。
君は寝ててもずっと彼氏のこと考えてたんでしょ。
…でもそれだとしても
心地が良かったなら、いいかな、とか思っちゃうよね。
腕の温もりも唇の感触も、違和感にはならなかったならそれはそれで…
「ツッキー、昨日のことって何?」
「あぁ、昨日音駒の部屋で穂波さん寝ちゃってて
音駒のキャプテンにマネージャーの部屋まで連れてくように頼まれた」
「えっツッキーが?なんで?」
「自分は主将会議なのと日向はチビだから無理って」
「あぁ…」
その日向は、音駒の人もいる席でご飯を頬張ってる。
一度にそんなに口に入れる必要ある?
…うっわ。最悪。吹き出した。
音駒セッターがまず吹き出したけど
そっちはまだいい。たかが知れてる。
日向は口に大量に含んでたから… うわー菅原さん災難じゃん
「ぅわー… 日向すごいことになってるね」
「だね、朝から最悪」
「おおおおお おっ おい研磨、サーフィンって水着ってすんの!?」
鼻血まで垂らした日向の声が聞こえる。
穂波さん水着でサーフィンか…
宮城の海でもちらりとサーファーをみたことあるけど、
体幹があって、しなやかで、それからどこか色気を感じる動きをする。
そこそこ上手い人に限るんだろうけど…
「うわぁ、ツッキー!鼻血出てる!ティッシュ、これ!」
嘘。ありえない。
想像で鼻血出るとか現実にあるのか…
最悪。