第21章 スイカ
『コツ?コツかぁ… やっぱ呼吸が大事かなぁ?』
「呼吸っすか…」
『やっぱりバレーでもしなやかさは大事?』
「だと思います。プレーに活きてくると… とくに股関節と肩と」
『あーそっかぁ、影山くんはボールの下に入り込む動作?とか…
その必要性も多いもんね』
研磨くんも、なんだろうけど。
音駒は、基本研磨くんのとこにボールを返すもんなぁ。
『一緒にやってみる?』
「何を…っすか?」
『ストレッチ。アップの時のか、練習後か』
「あ…いいんすかね?そんな、勝手に」
『わたし、烏野の監督さんとコーチの方に聞いてくる。それから大地さんにも』
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烏野の監督さんたちにも、音駒の直井さんとクロさんにも承諾を得て、
影山くんの補助に入らせてもらう。
とりあえず、今はペアでやって身体に触れながら
影山くんの身体、呼吸… 情報収集。
私たちだけ違う動きをすることになっちゃうけど、
影山くんってこういうこと気にしなそうだ。
だから気がラク。
周りに一人違うことしてるのを冷やかされても、
「なんすか?」
「そっすね」
「だまれ日向ボゲェ」
って感じだ。
翔陽くんにだけすごい反応する。
日向「おい影山テメー、穂波ちゃんに何してもらってんだよ!」
田中「コォルァァァ 影山ァァ!」
西谷「うおぉぉぉぉぉ!!」
月島「…………」
菅原「こら、お前ら静かにストレッチしねーと大地に怒られんべ」
澤村「………」
日向「研磨ぁ!影山が穂波ちゃんとあんなことしてるぞー!」
研磨「…ちょっと、やめてよ翔陽」
日向「影山ぁ!穂波ちゃんには研磨がいるんだからなぁ!」
木兎「ああああああああーーーーーーーー!!!!穂波ちゃん俺もーーーーー!!」
ー音駒エリアー
研磨「…はぁ………」
黒尾「あーんな遠くから話しかけられちゃって… 笑」
夜久「なんだよー、俺もまだやってもらったことねぇのに」
研磨「でも何で穂波あそこにいるの?」
黒尾「よくわかんねぇけど、影山クンとストレッチの話になったらしいよ」
研磨「ふーん。 やっぱ影山は甘いかおりでもするのかな」
黒尾「はい?」
研磨「…なんでもない」