第21章 スイカ
『お兄さんあきてるくんっていうの?漢字は?』
「明るい光」
『わぁ、素敵な名前。 アキちゃんとかアキとかって呼ばれる?』
「あぁ、友人とかには、そうだね」
『わたしのお兄ちゃんの名前アキだよ!暁って書いてアキ』
「うゎ… 気持ち悪い お兄さんがじゃなくて」
『あ、またそれ言った』
「あ、山口。まだいたの?」
ドアのところから様子を伺うように
山口が顔を覗かせる
『あ、山口くん!ごめんね、待たせちゃって。
はい、じゃあ蛍くん、質疑応答はまた次回ね』
「…じゃ、また」
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「ごめん、ツッキー。邪魔しちゃったかな」
「いや、別に。十分。 …いつからいたわけ?」
「えっ、さっきだよ。一回食堂まで向かったけどツッキーが来る気配なかったから。
昨日あんなこと言っちゃったし… 気になって戻ってきた」
「…ふーん」
「ツッキー、穂波ちゃんと仲良いんだね。
…あ、でも穂波ちゃんって音駒のセッターの人と…」
「関係ないから」
「あっ、ごめん、ツッキー」
「彼氏がいるとかいないとか、関係ないから」
「えっ…」
僕には、関係ない。