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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第21章 スイカ







「あの、さ。今日まだ質問2個しかしてないからね」

『…あれ?そうだったっけ?』

「1つの質問から展開されていったのは、数にはいれてないから」

『あぁ、うんわかったよ』

「………」

『ねぇ、蛍くんはさ、わたしといると、………』






下から顔を覗き込んでくる。
ギクッとした。






『和む?』

「…はっ はぁ?」







気がぬける。
ほんと何なのこの人。







「何?何が言いたいの?何でいきなりそうなるわけ?」

『…そんなことないかぁ』

「まだ僕何も答えてないんだけど」

『いや、彼に話したときにさ、和んだんじゃない?って言われて。
蛍くんに迷惑かけてるし、怪訝そうな顔もするし、そのときはそうかぁ?みたいな。
…でも今日、 ………あ、違うか』

「はっ? 一人で勝手に解決しないでくれる?」

『違うよ、ごめん、大勘違いの大自惚れだったね。危ない危ない』

「はぁぁぁ?」

『蛍くん、ありがとう』






…もう一度下から覗き込んできたと思ったら。
ほんとこの人、意味わかんない。







『昨日言ってもらったこと、嬉しかった。ちゃあんと心に刻まれてる。
蛍くんのハグも、汗の匂いも、心臓の音も。優しくしてくれてありがとう。
それから、蛍くんの言葉に救われた。本当にありがとう。
今日も楽しかったよ、遺跡発掘。ありがと… えっ』

「それ以上言ったら次はほんとにキスするよ」






鼻をつまんでやった
鼻声で間抜けな声で、えっ だって。







「あはははっ 笑」

『…もーちょっと指離して』

「ちょっと、そのまま喋らないでくれる 笑」

『………ねぇ、蛍くん。お兄さんの名前はなんですか』

「はぁっ? あきてるだけど… ちょっと」







腕をのばして僕の鼻をつまんできた
僕の声も鼻声になる。 …これ以上、しゃべるものか







「………」
『………』









「…ブッ 笑」









鼻を摘まれた状態で、目も口も見開くものだから、笑ってしまう。
もう頃合いだろうと、お互いに指を離した。
この人はぶっ飛んでるけど、しつこくない。
それがまた、いい。








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