第21章 スイカ
「…マウントではないかな。
喋るなとか近付くなとかそういう意味とか気持ちは全くない」
『………』
「じゃあ何でつけるんだろ。 …たまに考えるんだよね」
『うん、わたしも』
「外に向けてつけてるってよりは自分の中っていうか。おれの欲」
『うん』
「でも、見えるとこにつけたい」
『………』
「水着着るなら、水着から見えるとこにつけたい。おれのってしたい』
『………』
「あ、それだけかも。 おれの、ってしたいだけ」
『………』
「おれのだから、どうこうじゃなくて。ただ、おれの 」
『…ちょっと、もう、研磨くん』
並んで歩いてる穂波の顔をみると
はずかしそうに俯いてる
「…ん?」
『そんないっぱいおれのって言われると恥ずかしい』
「…だって、おれのでしょ」
ぐいっと腕を引き寄せて抱きしめる
『…ん』
「…誰と話してても、誰といてもおれの。」
『…ん。ねぇ、研磨くん』
「…ん?」
『好き。大好き』
「…ん」
そっと口付けて、また離れて口付けて、を繰り返して
また歩き出す。
『馬がいるんだって。乗馬の』
「…へぇ」
『合宿中もお世話しに来てるってことだよね』
「うん、そうだろうね」
『会いたいなぁ』
「…馬に?」
『うん。 研磨くん乗馬したことある?』
「いや、ない」
『いつか、乗馬も一緒にしよう』
「穂波はあるの?」
『うん、いろんなとこでちょこちょこと。ハワイ島に行くと必ず』
「あ、うん。写真見たや」
馬に乗ってる穂波の写真はなかったけど、
馬の上から見た景色の写真があった。
どこか渓谷を馬に乗って
『世界が違って見えるよ』
「へぇ」
『それから、馬はとっても愛おしい』
横を向くと、うっとりとした顔をしてる。
「話聞いて、顔みてるだけで満足しちゃうけど… うん、そうだね。
穂波と一緒にいろんなことできたらな、とも思う」
『うん』
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暗い中結構歩いたけど、
馬がいるとこは見つけれなかった。
ゆっくり校舎まで歩いて帰る。
2日目が終わる。