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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第21章 スイカ









「おれと穂波だったから、いまおれたちってこうしていられるんじゃないの?」

『………』





「んーと、 …おれたち、 …その、 ………運命なんでしょ」

『………やだ』

「え」

『…もう研磨くん』






不意打ちがすぎる。
涙がぼろぼろ出てくる…






「え」

『うわぁーん』

「えっ」





子供みたいに泣きじゃくったと思う。
静かにぽろぽろ泣くなんて出来なかった。

研磨くんは少し困った顔をしながら、
頭を撫でたり、肩に手を添えてくれたり、背中をさすってくれたり…
あまりに唐突で何をしても落ち着かないと言った感じで、
いろんなところに触れてくれた。

それからぎゅっと抱きしめてくれた。
研磨くんの腕の中で、だんだんと落ち着いてくる。

幻滅させてもおかしくないって思ってた。
呆れて怒ることもできないかもって。
それでもいっぱいいっぱい話して、
あとでお散歩に一緒に行くんだって思ってた。

それなのに…





「…穂波、落ち着いた?」

『…うん、落ち着いたけど研磨くんの服にいっぱい鼻水ついた』

「…ふ 笑 それはまぁとりあえずいい」

『…ん』

「喧嘩になると思った?」

『…喧嘩はないと思った。わたしが怒る要素1ミリもないし。
でも、怒られる覚悟は多分あった』

「残念だったね」

『へ?』

「おれに言われたいセリフあったなって」

『研磨くん、馬鹿じゃないの』

「…え」






研磨くんが冗談でいったのは、
前、周平との喧嘩の話の件で出てきた

「うっせーなぁー、こっちはお前のこと好きなんだよ!」

ってセリフのことだと思う。
そもそもこれも、周平が実際言ったことじゃなくって、
研磨くんにより作られたセリフなんだけど。
それを研磨くんに言われたい、とわたしはそのとき言ったんだ。




でも今し方研磨くんが言った
セリフではない

「んーと、 …おれたち、 …その、 ………運命なんでしょ」

こっちの方が… ずっと心にくるに決まってる。





あんなこと言っておいて、
もう忘れてからかってくるなんて、
蛍くんの言葉を借りれば 馬鹿じゃないの。だ。







『ふふふ。昨日のお返し』

「あぁ… でもおれには使っちゃだめって」

『ふふふ』








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