第21章 スイカ
ー研磨sideー
お風呂の後、食堂に行ったときに
部屋にいるね、と伝えておいた。
森然ではそんなに学食ですることもないみたいで、
梟谷のマネの人と楽しそうに話してた
おれと話してて笑ってる顔はもちろんだけど、
ああやって側から見る楽しそうな顔も良い。
ほっこりする。
みんなまだ自主練してるんだろ、
誰もいない音駒の部屋に、自分の布団を先に敷いてゲームしてると、
コンコンッ
ノックする音が聞こえた。
『研磨くん、お疲れさまぁ』
穂波だ。
あーかわいい。
とことこと歩いてきて、布団の横にしゃがむ。
「…ん。穂波もお疲れさま」
『ゲーム進んだ?』
「…うん、結構進んだかも。強いボス倒せた」
『…ふふふ』
嬉しそうに顔を綻ばせたかと思うと、
するするとおれの首に腕を回して抱きついてくる。
「…ん」
おれも腰に腕を回して抱きしめ返す。
「…お風呂、先に入る?散歩、先する?」
『…んー 一緒に入りたいよぅ』
「まぁ、無理だよね」
『 ! 』
「…ふ 笑」
『…でもシャワー室ならいけるよね』
「え、いきなり現実的なの」
『ふふっ 冗談ッ 先さっとシャワーだけ浴びてこようかな』
「いいよ、ゆっくりはいれば」
『ううん、シャワーでいいの今日は。諸事情により』
「…ん。じゃあ、おれも一緒にいく。昨日のとこで待てるし」
廊下の移動すら一緒にいたい
『うん。嬉しい』
「あのさ、穂波。先にすっきりしときたいから、ひとつ聞いてもいい?」
『うん、なぁに?』
「今日スイカ食べてるとき、影山と話した?」
『…あ、うん? …話した、かな』
「別に監視してるわけじゃないんだけど…」
『へっ そんなこと思ってないし別に研磨くんになら監視されたい。
…あぁでも、研磨くんの気がもたないか… 絶対疲れるよね、わたしの監視とか』
「…笑 いや、ちょっとそういうことじゃないんだけど…」