第21章 スイカ
ー研磨sideー
「…明日は、おれも一緒に夜、散歩する。
あしたの練習後はおれのだけでいて」
昨日の夜、こんなことを言ってた。
意味はまぁ、そのまま。
穂波はただいつも通り穂波でいるだけで、
いろんな人を惹きつけてるように思う。
男の部員だけじゃなくて、マネージャーにも。
食堂のひととか、森然の保護者のひとにもよく声かけられてる。
それは、もう前から知ってたこと。
変えたいとも変わって欲しいとも思わない。
さっきスイカ食べてるとき、
穂波が影山の方に吸い寄せられてくようにみえた。
影山の背中であんまりよく見えなかったけど、
近づいたかと思ったら、後退りして2回頭を下げてた。
それからどっかへ走っていった。
…笑
翔陽みたい。
2人は似てないのに似てる。
何かあったかな、少し気になったけど、
練習が始まったときに顔をみると、
いつもの穂波だったからほっとした。
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普通に練習をして、
穂波は今日の夜は当番だからおれは先に風呂に行った。
自主練しない人たちがちらほらいるくらい。
ゆっくり入れる。
…穂波に引き寄せられてる人はよく見るけど、
穂波が吸い寄せられるようになってるのは、
もしかしたら初めてかも。
…いや初めてじゃない。
おれのとこにくるとき、あとカズマがスケボーしてるとたまにそうなる。
あとは、風とか花とか木に吸い寄せられてるのはよく見る。
海は一度だけだけど、その一度が強烈だった。
けど、リエーフとか木兎さんとか赤葦とか月島とか。
その辺は違う、ように見える。
翔陽には吸い寄せられてるっていうのとも違う気がするし。
…影山。
穂波はあのとき何してたんだろ。
今更だけどちょっと気になってきた