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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第21章 スイカ


ー穂波sideー






『…よし!干し終わった!まだ時間少しある』

「…じゃあ、昨日のお願い聞いてあげよっか」

『…ん?』

「僕も、得体の知れないものが一つ消えて、今少しだけ気分がいいから」






腰掛けていた大きな石からよいしょと立ち上がり、
こちらに向かってくる。

そばにくるとわたしの肩に手を添えて身体の向きをかえられる。

蛍くん、口調も表情も少し綻んだな。
わたしのせいで起こしてしまった要らぬイライラを少しは解けたってことかな。







「はい、どうぞ。ごゆっくり」







蛍くんは肩に手を添えたまま、
腰をかがめてわたしの顔を覗き込む。








…あっ 覗き込んでるんじゃない。
わたしに、見せてくれてるんだ。









綺麗な金色の髪の毛は細くて柔らかそう。
一本一本を見ると少し透けそうな感じ。
…ほんと、月明かりのような、蛍の儚い光のような。






瞳は、髪の色より少しだけ落ち着いた色。
金色と茶色の間?みたいな
…形容し難い色だな …きれーーー
研磨くんと同系色だけどちょっと違う。
なんでこんなにみんな綺麗な目の色をしてるんだろう。困る。







まつ毛は…









『…ちょっと失礼します』









眼鏡に手をかけ、外す。








『おぉ………』








眼鏡をそっと元に戻し、
月島くんの腕に目線を移す。








「何勝手に顔以外のとこみてるの?」

『あぁっ、ごめん。 終わりました。 ありがとう!
惚れ惚れしちゃった。わたしいま、ぽわぽわしてるよ』







かがめていた腰を伸ばした蛍くんを見上げる。








『腕の毛も金色なんだね。まつ毛は、黒いのに。珍しい… 腕以外の体毛は…』

「やだ、穂波さん、エッチ。こわーい」

『なっ! 純粋なる考察です! あ、もうわたし学食行かなきゃだから。
またね、蛍くん。洗濯干すの付き合ってくれてありがとう!』

「…あ、ちょっ…と」









かごを手に学食へと向かう。










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