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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第21章 スイカ


ー月島sideー





目が覚めて、昨晩のことを思い出した。






靴下の片われ、
日が出ていればすぐ見つかるんじゃないかと思い、
朝の支度を済ませ、なんとなく、時間もあるから外へ出る。

…朝から他人の靴下を探すなんて馬鹿馬鹿しいけど
あと一つが見つからないままなのも気持ちが悪いし

…どうでもいいんだけど、ま、なんとなく。








昨日と同じとこから歩き出すと
昨日はすごくゆっくり歩いていたのだということに気付いた。
知らない道で、暗い中探しものをしていたからか




最初に靴下をみつけたとこと、
靴が木に引っかかっていたとこの間の辺りに靴下が普通に落ちていた。
昨日、あんなに時間をかけて探さなくても、
明るい時間に探せばこんなにもスムーズだ。




…ほんと、馬鹿馬鹿しい。
僕は昨日から一体何をしてるの。








靴下を手に来た道を戻る。
洗濯室とかにいたりして…と思って行ってみたけどいない。
でも音駒って書いてある、空の洗濯籠が置いてあった。
洗濯機はもう動いてないようだった。







まさかまた、洗濯中に懲りずにふらふら歩き回ったんだろうか。
せっかく洗濯室にはベンチが用意されてるんだから、
本でも読みながら待てばいいのに。







そんなことを思いながら、
あの人のことならきっとまた裸足で坂の上の方にいるんじゃないかと、
昨日の坂へと行ってみた。








坂を登った先の方にあの人はいた。
…でも、1人じゃなかった。

梟谷のセッターの人だ。

落ち着いた空気を漂わせて、仲良さげに話してる。

…馬鹿馬鹿しい。






踵を返し、来た道を戻る。













『あれっ? 蛍くん? 蛍くーん!』









…あーもう、何なの。
どうして僕はちょっと喜んでるの。
でもどうせ、隣には他の男がいるんでしょ…









振り返ると、穂波さんは1人だった。










『おはよう、蛍くん。朝散歩?』

「…おはようございます」

『あっわたしね、今洗濯室行かないとで…
引き留めといてごめん、また後でね!良いお散歩を〜!』







…はぁ、勝手に話しかけてきて、勝手に去ってくとか。








で、なんでまた僕は後を追ってるわけ?











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