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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第21章 スイカ


ー赤葦sideー





『京治くんは今、どんな本を読んでる?』

『京治くんはカエル、好き?』

『京治くんが外に出たとき、空はどんな色だった?』







幼いともとれるような、
数々の質問をぽつりぽつりと投げかけられる。

その質問それだけにも、
彼女の人となりを垣間見るようでおもしろい。





『京治くん、…』
「穂波ちゃん、…」

『あっ、どうぞ』

「いや、いいよ。なんだった?」

『ううん、また聞き取り調査しそうになってただけ。京治くんは、なんだった?』

「俺も、質問しようかなって。 …じゃあ、いいかな?」

『うん』

「前に会った時より日に焼けたね。どこかへ行ってきたの?」

『あぁ、うん。神奈川の海に行ってきた。
3泊4日?短かったけど、ずっと天気も良くってずっと海にいた』

「へぇ、家族で?」

『うん、家族と仲のいい人たち色々』

「海では何をするの?」

『サーフィン!あとは、なんかいろいろ大人の仕事を手伝ったり』

「サーフィンか。そっか、すごく腑に落ちる」

『ふふふ。そうなんです、サーフジャンキーです、わたし』

「家族構成とか… 聞いたらおかしいかな?」

『…え?全然、全然おかしくないよ。父、母、兄、わたしの4人だよ』

「お兄さんがいるんだね」

『うん!大好き。 京治くんはねー、一人っ子?目は、お母さん譲り。…どう?』

「…あぁ、うん。そうだね。そう言われる。 一人っ子も正解」

『わーい!』





愛らしい子だな、と何度も思う。
他愛無い会話の中に、いろんな光が散りばめられている。






『京治くんは、本に関わるお仕事をしたい、とかあるの?』

「…あぁ、うん。そうだね。そう思ってる」

『…へぇ。素敵』

「…出版社。文芸書の編集者として本に携わりたい」

『…わぁ。もうしっかり具体的なのがあるんだね。すごいナ』

「…そうだね、幼い頃から本が好きだから、結構早い段階で」

『そっかぁ………』








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