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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第21章 スイカ






「…はい、穂波ちゃ……コホンッ 穂波さん。靴、先に受け取って」







上から差し伸べられた手から靴を受け取る。

蛍くんは変にかっこつけることもなく、
さらりと降りて手と膝をパンパンとはたいた。






『蛍くんありがとう』

「いえ、どういたしまして」

『蛍くん、質問が一つ浮かびました』

「…はい、どうぞ」

『蛍くんの身長は何センチですか?』

「…188.3cmです」

『…きっとまだ伸びてるよねぇ、大きくなるね』

「そうだね、まだ伸びるとは思ってる」

『ねぇ、蛍くん。質問じゃなくてお願いもしていい?』

「…いやです。既にこれ、進行形で穂波さんのお願い聞いてるんで」

『…あぁ、それは確かに。それもそうだね。今は欲張っちゃあいけない』





「…はぁ。 なんでそんなに食い下がらないの? 調子狂う」

『…ん?』

「靴を一緒に探してって言われて断った時も、今も、断ってもケロッとしてる。
だからって軽い人ってわけでもなくて、言葉に心も籠ってるし、何なの?ほんと調子狂う」

『………』





…怒られてるの?
…褒められてるの?

蛍くんは話し出すとかわいい子だな。






「…で、なに?お願い事って」

『あ、屈んで欲しいなって。遠いから、顔があまり見えない。
一度その髪の毛の色とか目の色とかまつ毛の色とか見てみたいって思ったけど、ここ暗いよね。
だからまぁ、今じゃなかったってことなんだよ。うん』

「…あ、そ。」

『あ!蛍くん!』

「なに?」

『この坂覚えてる。…蛍くん、ありがとう。…えー、というか本当にありがとう。
付き合ってくれてありがとう。一緒に靴、探してくれてありがとう。
お風呂入りたいよね、お腹すいたよね… ありがとうね。
お話も楽しかったありがと………!』










蛍くんに唇を塞がれた









…かと思った。










…わわわわわーーーーーーー









『…びっ…くりしたぁ………』

「壊れたおもちゃみたいにありがとう、ありがとうばっか言ってうるさい。
だから、調子狂うってさっきから…」

『…あーーーーもう!ほんとにびっくりしたぁぁぁ…』








心臓飛び出るかと思った










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