• テキストサイズ

【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第21章 スイカ







…近づいてみると靴下が片方落ちていた。
これで1/4クリア。






『蛍くん、ありがとう!すごいすごい』

「…いやでもここがどこかはわかっていないので、迷子にもなり得ますよ」

『きっと大丈夫。それに学校だし』

「…男と2人で夜に知らないところを歩いていてもですか?」

『それはこっちが聞きたいよ。怖い変なやつに付き合う蛍くんの心境やいかに』

「…………」





ちょこちょことこうやって仄かしても
なんにも靡くこともなくかわしてくるけど。
僕が襲おうと思えばもう、なんだってできるのに。
…やっぱ馬鹿なんじゃない、この人。変な人。






『あ、質問。そうだなぁ、お兄ちゃんは好きですか?』

「………はい」

『うんうん。私も大好き。年も離れてるのもあって、やっぱりね。そうだよね』

「…お兄さんは何をされていますか」

『…お兄ちゃんは、…そうですねー、…プロサーファーです』

「はっ?プロなの?」

『うん、でもね、プロになる前も今も変わらないよ。優しくてかっこいい。
カリフォルニアに住んでるけど、今は…タヒチかな?うん、きっともうタヒチにいる』

「…ツアーか何かで?」

『さすが蛍くん、鋭いね。そうそう、今世界ツアー中』

「…へぇ」





アスリートの家系なんだろうか。





『次4個目?んーとー、蛍くんの好きなものはなんですか?』

「…ショートケーキと恐竜です」

『…ちょっと!それは反則』

「なんでですか?何がですか?」

『…なんとなくです。本人は知らない方が魅力的なコト』





くしゃっといたずらそうに微笑んで言う。
うっすらとした月明かりでみるそれは、
そのままいまの言葉を借りると、異様に魅力的だ。

…はぁ、頭に糖分足りないのかも。
考えてることも、こうして会話してることもおかしい。





「…じゃあ穂波ちゃ… コホンッ …穂波さんの好きなものはなんですか」

『好きなもの!自分で聞いたけど難しいね。広すぎる。
ぱっとショートケーキと恐竜って言える蛍くんはすごい』

「………」

『…んーとねー』






この人ほんとに楽しそうにするな。
でもどっしりとしてて煩くなくて…






『好きなものは海と太陽と風です』

「うわ、規模でかっ」

『あ、月も雨も土もすき』


/ 1804ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp