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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第21章 スイカ







『…あ、えっと、月島くん』

「………」

『…自主練してきたの?』

「…付き合わされただけです。それより僕の質問に答えてください」

『…質問? …えっと、なんだっけ?』





息をあげながら紅潮した顔で首を傾げる。
…やらしい。





「何してるんですか、こんなとこで、裸足で」

『…こんなとことは?』

「…はぁー もういいです別に。すみません、お邪魔しました」





付き合ってらんない。
ほんと、馬鹿なんじゃない。
さっさと風呂入ってさっぱりしよ。






『あっ 月島くん、待って!』






無視して歩き続ければいいのに、
何故か立ち止まって振り返ってる自分がいる。





「…なんですか」

『裸足なのには理由がありまして… つきましてはご相談があるのですが』

「…………」

『詳しい説明を省きますと、靴をどこかに落としてきてしまいまして…えと、靴下も』

「……プッ…笑」

『一緒に探してもらえませんか?』

「…は!? …なんで僕が。嫌ですよ。…言うことはそれだけですか? …じゃ、僕はこれで」

『…………ん。お疲れさま!』






…はぁぁ!?







予想外の明るい声に驚いてまたも振り向いてしまう。







今はもう目が慣れてよく見える。
綺麗な顔をして笑ってる。
夜風に揺れる大輪の花のようだ。








頼みごとしてあっさり断られて、
こんな笑顔で労いの言葉かけるとか意味わかんない。
…調子が狂う。










「はぁ………」











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