第20章 banana pancakes
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『…ん?』
いつもより少し早く目が覚めると、
研磨くんがわたしの隣で寝てる。
隣で寝てるというか、わたしを抱き枕にして寝てる。
…………。
昨日あれから起きたのかな。
起きて、ここに来たのかな。
…きゅん。
そんなことならマットレスしいとけばよかった…
とか考えちゃうけど、今更ね。うん。
5時までこのまま抱き枕でいよう。
研磨くんの寝顔なんていくらでも見てられるんだから………
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「穂波ー、起きてー」
『…んー?』
「穂波、起きるよ」
『…ん………』
んー研磨くんの声が聞こえた気がする………
んあっ…気持ちいい。
んんっ 息が、苦しい……
ん? …気持ちいい?
『…んー!』
「わ」
『ふぇっ!?』
唇が研磨くんにふさがれて、
胸をTシャツの下から直接もみもみされて、
鼻もなぜかつままれてた。
「…ぜんっぜん、起きないから」
『…へ? あれ? わたし…』
しまった…2度寝しちゃったんだ!
『…え、うそ。 今何時?』
「7:30」
『…うそ』
研磨くん、朝練遅刻どころじゃない
「うそ」
『へぇぇぇ…………』
「…ふ 笑」
もー脱力しちゃうよぉ
「…でも、そんなゆっくりじゃない。6時過ぎてる」
『うそ、ごめん!朝ごはん用意するね!』
「…いいよ、別に。コンビニで買えば」
『んーそうかもだけど、でもまだ間に合うよ。
ラタトゥイユとパンとか。食べれる?』
「…食べれるかと聞かれると、 …うん、食べれる。食べたい」
…なんか研磨くん、すごく優しい顔してる。
ほっとするなぁ…
…いやいや、ほっとしてる場合じゃないから。
『研磨くん、ごめんね。少しだけどたどたする』
「…ちょっと待って」
『…………』
「穂波、おはよう」
『…うん。研磨くん、おはよう』
研磨くんは優しい、綺麗な目で、そっと頭を撫でて、
それから優しいキスをしてくれた
…うん。のんびりはできないけど、落ち着いた。
チューニングが整った感じ。