第20章 banana pancakes
ー研磨sideー
夜中に目が覚めるとソファで1人で寝てた。
映画を観終えて、ごろごろしてたら寝ちゃったのか。
…穂波はどこだ?
小さな間接照明が着けたままにしてあったので、すぐに見つかった。
床で寝てる。
タオルケットも部屋から持ってきてるし。
水筒の水を飲んで、穂波の隣に寝転がる。
床、ちょっと硬いけど、すやすや寝てるなー
そっと口付けて、おれもまた寝る。
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俺の携帯のアラームがなった。
6:00
穂波は、隣で寝てる。
正直、嬉しい。
隣にいることもだし、
アキくんは穂波のことよく寝るって言ってたけど、
俺と一緒にいて寝坊するのはまだ見たことがなかったから。
たしかに穂波は寝るのが好きだけど、
同じくらい起きることも好きそうだし。
すこしだけ眺めてから、声をかける。
全然起きないから、なんどもキスをした。
それでも起きないから胸を直接触った。
…それでも起きないから、鼻を摘んだ。
…ら、流石に起きた。
コンビニで菓子パンとか買えばいいやって思うんだけど、
穂波が昨日のラタトゥイユとパンならすぐっていうから、
そんなこと言われると食べたくなる。 …美味しかったし。
穂波がパン用意してくれてる間に、
鞄用意したり、なんかいろいろ。
部屋着と私服は置いといてまた取りに来る。
制服はやっぱご飯のあと着たいから、
空いた時間に洗濯機から洗濯物取り出してカゴに入れといた。
ラタトゥイユとパン。
きゅうりスティック、かぼちゃとハムのサラダ、リンゴジュース。
サラダは多分作り置き。
ゆっくり食べたいけど、少し急いで食べ終えて、
制服に着替えて朝練に行く。
「…じゃあ、穂波あとでね。行ってきます」
『うん、研磨くんいってらっしゃい』
玄関でそっと口付けて家を出た。
あわててても煩くなくて、
それからどこか活き活きした顔してた。
予想外の出来事も好き、って前に言ってたな。
…だから遅刻魔も治らないんじゃない?とかも思うけど
穂波らしくていいな、と思う。