第20章 banana pancakes
周平に言われた通りにサラダを盛り付けて冷蔵庫に入れて、
鋳鉄製のフライパンでじゃがいもと鶏肉を焼いてると
がちゃっと音がして、
『ただいまぁ〜』
穂波が帰ってきた。
『すっごいいい匂いする〜 研磨くん〜』
すんすんしながらかわいい顔してカウンターにぴょこってする。
…ちょっと、可愛いんだけど。
「おーい!穂波、俺には一切触れないの?サプライズゲスト」
『おー、周平。やっほー わたし、手洗ってくるね』
「…ふ 笑」
「見た?今の。 格差すご。 天然たらしのくせに実は結構強烈な線引きあんのあいつ。
たらしも天然なだけに、あーいうのも天然だから、パンチすごすぎんの」
「…いやでも、あそこまで素っ気ないのは初めて見たよ。 多分周平にだけ…笑」
「おいこら研磨!」
『…ふふ、仲良いね。研磨くんと周平で作ってくれたんだね。嬉しい』
「俺はスープだけよーん。サラダと肉は研磨」
『わぁ…♡』
「ちょっと、周平。 …いや穂波違うから。おれ作れないから。
…あ、いや、おれが作ったは作ったけど、周平が…」
「う〜ん、研磨可愛い!アキくんもツトムくんも研磨がかわいいかわいいってうるさいんだよ。
会った時もだし、LINEでも。 でも確かにかわいいわぁ〜お前」
頭をくしゃくしゃと撫でられる。
…はぁ、アキくんもツトムくんも周平もなんなわけ。
『…ふふ。気持ちが嬉しい。使ってくれた時間が嬉しい。
ありがとう、研磨くん、周平。お皿出すね〜』
穂波のラタトゥイユ、周平が作った豆の入ったスープにバジルペーストがのったやつ。
茹で卵とかオリーブ、ツナののったサラダ。鶏肉とじゃがいもの焼いたの。
「わりぃ、ラタトゥイユみてついそれっぽい献立にしたけど、これメシに合う?」
『合うんじゃない?ご飯に合わないおかずはないよ。
わたしもラタトゥイユ、ご飯と食べるつもりだったし。スープも絶対合う』
「…うん、おれもそう思う。じゃがいもあるし、そんな量はいらないけど」
…そんな感じで3人で夕飯を食べた。
穂波は美味しい美味しいと食べていて、
おれ一人で作ったわけじゃないにしてもやっぱ嬉しいものだなと思った。