第20章 banana pancakes
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周平はどんどんやることを言ってくる。
「にんにくをすりおろして、ローズマリーと一緒に鶏肉に揉み込んどいて」
「じゃがいもは皮むいて水に浸してー」
「卵ゆでて剥いといてー は?研磨、自分ん家で茹で卵もつくんねぇの?」
「はい、じゃあこの辺のテキトーに混ぜて美味しいドレッシング作ってー」
「玉ねぎスライスして水に晒してな。 あ、生食の時はそっち向きじゃないから」
…人使い、すごい荒い。
穂波も一緒に台所入るといろいろ振ってくるけど、
ちょっと違うし。 ま、男だしこんなもんか。
でもやっぱ周平は賢いし、無駄がないのはわかる。
だいぶ放任主義な感じもあるけど失敗する前に言ってくれるし。
途中、「っていうか無音? 音楽かけていい?」って言って
スピーカーに周平の携帯から飛ばして音楽を流し出した。
何曲か流れたあと
今朝穂波が歌ってた歌が流れ始めた。
…これ、男の人の歌なのか
「周平、これなんて歌ってるの」
穂波にも聞いたけど
まさかあれが全部じゃないだろうし、周平の解釈だとまた違うのかなって。
「これ?雨だしゆっくり起きようよ、ゆっくり過ごそうよ って歌ってる」
…なんだ穂波が言ってたまんまだし。
「おれたちに必要なものは全部ここにあるから、それで十分なんだからさ…つって」
「…へぇ」
「…あとでおれがバナナパンケーキ作るから、一緒にゆっくりしよう みたいな感じ?」
「ふーん」
「今度雨の日にでも作ってやんなよ。
俺、予定ない雨の日の朝、彼女と同じ布団で起きたらこれやりたい。
ていうか、やったことある。カナダで 笑」
「…周平と同じことはしたくないけど。 でもなんかいいね。ハワイのひと?」
「うん、だね。オアフ島。 研磨iPhoneだよな?
あとで送っとく。メアド教えてな。てか、LINEやってる?」
「いや、やってない」
「えー、じゃ、あとでそれも登録して」
「…えー」
クロもまだガラケーだし、
LINEとか使う相手いないしって思ってたけど。
まぁ、穂波ともそっちのが便利かも