第20章 banana pancakes
ー穂波sideー
ベッドで存分にだらだらして、
ブランチをゆっくり食べて。
一緒にお皿を洗って、洗濯を干して。
たまにキスしたりしながら、
のんびりゆっくり、今日は一日予定がない。
なににどれだけ時間をかけてもいい。
…はっ!
3連休で感覚おかしくなってたけど、
今日月曜日だ。花ちゃんのレッスンだ。
あぶないあぶない。
…夕飯、先に仕込んでおこう。
…ふふ、全然がっかりはしない。
十分満たされてるし、フラも大好きだし、
こういう予想外は結構好き。
…ってこれは予想外っていうよりわたしのただの不注意だけど
研磨くんは階段登ったとこのスペースでゲームしてる。
ピッチャーにレモンのスライスをいれて
グラスと一緒に持って上がる
「…あ、穂波。 思ったんだけどさ…」
『………』
「…今日△△駅でレッスンだよね」
『…!そうなの、わたしもさっき下で思い出して。危なかった。ちょっとだけ留守にするね』
「…ん」
『ここでわたし、映画みてもいい?』
「うん、いいよ。何みるの」
『なんにしようかなぁ〜 ハリーポッターは研磨くんと観たいし… 今から探す』
「…ん。ハリーポッターはあとで一緒にみよ」
『うん』
このまま自分のやりたいことを続けてくれるのが
わたしにはとても心地いい。
綾乃は相変わらず理解できない!っていうけど…
綾乃は、こういうときゲームやめて一緒に観て欲しいんだって。
可愛いな、って思う。
きっと、膨れた顔で一緒に観ようよ、って言われて
彼氏は満更でもない感じでゲームをオフにするんだろうな。
…かわいい。
わたしと研磨くんにはどうも起きそうにないシチュエーションだけど、
想像するとキュンとする。