第20章 banana pancakes
あれから布団でだいぶごろごろした
穂波が本を読んでるとこに、
昨日穂波がしてきたみたいに抱きついて一緒に本を眺めたり。
英語だからわかんないけど…
キスしたり、抱き合ったり、
一緒にタオルケットにもぐったり
そういう風に一緒にだらだらしたり…
おれはゲームして、
穂波は本読んで、
ベッドの上で違うことしたり…
一緒にも別々にも楽しめるのは、いい。
それでいまは、おれはソファでゲームを続行中
穂波は朝昼ごはんを作ってる
バナナパンケーキを作るんだって言ってた。
やっぱ、歌のそれは聞き間違えじゃなかった。
いまも台所でさっきの歌を歌ってるのが聞こえる。
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『お待たせ、研磨くん』
声をかけられてテラスの近くの小さなテーブルに行く。
せっかく雨が降ってるから、窓の近くで食べようって言ってた。
たしかに、雨の音がよく聞こえる。
小ぶりのパンケーキ3枚に
生クリームとメープルシロップ、それから砕いたナッツがかかってて
皿の脇にはスライスしたバナナが並んでる。
リーフに豆と雑穀が乗ったサラダと、ベーコンエッグ、
あとスムージー?とろとろしたピンクのやつ。
「…おいしそ」
『ふふふ、だらーん感あるでしょ』
「うん。…だらーん、もあるけどほんとにだらーんてしてるおれからしたら、すごい贅沢」
『お。 それはなんだかいいね。 ラッキー』
「…いただきます。 これ何でピンクなの?」
『ラズベリーの色だよ。あと、にんじんとりんご入れた』
「…あ、うま。 おいしい」
『…ふふ。夏だねぇ』
「………」
いきなり「夏だねぇ」とか、こういうの多い。
穂波の頭の中ではちゃんと繋がってるんだろうけど…
朝にスムージーを飲むのが夏なのか、ラズベリーが夏なのか。
よくわかんないけど、まぁいい。