第20章 banana pancakes
「ちょっと、収拾つかなくなった」
『…収拾ついちゃった』
「…あぁ、うん。まぁ …ちょっと、まだ明るいし………」
『…ん』
あぁ、どきどきした。
外でするのは、 …初めてではない
大自然の中にいると、そういうこともあるものだ …と思ってる。
…ハワイ島だったし 夜の海とか 満点の空の下でのキャンプとか
人を馬鹿にしてしまう 何かがある時がある …気がする。
でもこんなまだ日の落ちてない住宅街の中の庭で しかも研磨くんが だなんて。
全然頭が追いつかなかった
身体はどんどん反応してたけど
「…外でとか 考えるとなんでわざわざって思うけど」
『………』
「穂波となら外でしてみたいって思う」
『 ! 』
「…まぁ、布団でも穂波としかしたくないし しないけど」
『…ん』
何でこんなこと 真っ直ぐに淡々と喋るかな…
どきどき どきどきしてしまって、
うまく言葉が返せない
『研磨くん、すき』
結局、これに落ち着く…
ごちゃごちゃしたもの全部削ぎ落とすと、ここに行き着く。
「…ん」
『…ご飯、作るね。 あっ、蟻のとこ』
「…あぁ、思い出すと痒くなってきた」
『あぁーごめん。 薬塗っとこ』
「いやおれの自業自得だから …うん、薬塗っとく」
わたしは裸足で歩いてたので
脚を拭いてから家に入る
2人ともいつに間にか蚊にも刺されてて、
薬をぬりあいっこした
「いい匂い」
『…ね、いい匂いだよね。 ティーツリー』
「あ、穂波の髪の毛の匂い。 …ゼラ…」
『ゼラニウム?』
「あぁ、うん。それ、リエーフのお母さんが好きな匂いなんだって」
『へぇ、いい匂いだよね。 研磨くんも好き?』
「うん、好き」
『…ふふ、よかった』
部屋に入ってすぐ火にかけておいた土鍋の火を弱める。
今日の献立は、今朝日記を読み返して決めた。