第20章 banana pancakes
「草抜いてるの?」
するするするーと、
首に回してた腕が下に降りて腰に回される。
研磨くんもしゃがんでぴとって身体がくっつく。
「…蟻、みてたの?」
首をひょいっと横に傾げて、
わたしの見てる方を見て言ってる。
『うん、草抜いてたら巣があったみたいで慌てて卵?蛹?運んでる』
「…この、白いやつ?」
『うん』
「………」
『これ、ほら、蟻の形してない?』
研磨くんが身体を離して、隣にくる。
「…ほんとだ。蟻の形してる」
『家が少し壊れてさ、咄嗟に自分が逃げるんじゃなくて、みんなで子供達を守るんだなーって。
当たり前なんだろうけど、なんかすごい』
「………」
『………」
しばらく無言で観察する。
「いっ… た」
『………』
「…蟻に噛まれた」
『うそ、大丈夫?』
「…ん、平気だけど、びっくりした」
『蟻、痛いし痒いよね。うち入って早めに薬塗っとこ』
「…ん。でもちょっとだけ」
手首をそっと掴まれて
下から覗き込むようにして唇が奪われた
ゆっくりと離れたかと思うと
また唇が重なる
角度を変えながら何度も口付けているうちに
お尻がぺたんと地面に着き、
そのまま研磨くんに押し倒される
研磨くんの舌が唇をなぞる
口を開いて舌を小さく出すと
するすると絡まりながらわたしの口内に入ってくる
両手の指を絡めながら
深いキスをしていると
どんどん身体が熱くなってくる
『…んはぁッ ……………んぁッ…』
唇が離れたかと思うと
首筋にキスが落とされていく
それから下から上へゆっくりと首筋を舐め上げられた
『…あッ…………』
「…あー、ちょっと。止まんない。 …すき」
『…ん』
「…フゥー………」
研磨くんは目を瞑って深く息をつくと
わたしの腕をくいっと引っ張って座らせてくれる