第20章 banana pancakes
・
・
・
穂波はスケボーに乗って、
おれは自転車でアイス屋に向かう
寝ちゃってたから15時はとっくに過ぎてたけど、
暑いしちょうどいいくらい。
長い丈のワンピースを着てるから、
膝を曲げるときに裾を持ち上げてて
そこからちょこちょこ脚が見える。
…この、ついみちゃうのなんなんだろ
ほかの女の人には全然そんなことないのに。
それに穂波の身体はいっぱいみてるはずなのに。
…変なの。
・
・
・
「いらっしゃいませ。お久しぶりですね」
アイス屋にはホワイトデーのあと、4月に一度一緒に来た。
穂波が沖縄パインのアイス食べたいって。
『お久しぶりです♡ わぁ 夏の味がいっぱいだぁ〜』
定番の味の他に、季節の素材の味が並んでる。
「おれ、白桃とミルク」
『あぁっ』
「…ふ 笑」
『一緒だった。 違うのにしたら一緒に食べてくれる?』
…いつもそうしてるじゃん。
そんなに食べたい味だったのかな。穂波桃好きだもんな。
「うん、一緒にたべよ」
『わーい。 じゃあ、島バナナとラズベリーにします!』
いっつも本気で悩んでて、選んでておもしろい。
いつもいるこの店員さんも、きっと同じこと考えてる。
『あっ、あのこの、お土産にもいかがですかって言うのは、どんな感じなんですか?』
ショーケースの上に前にはなかったポップ?みたいなのが置いてある。
会計を済ませてアイスを受け取るときに穂波が聞いた。
「専用の入れ物にお入れして、ドライアイスをつけて…という感じです。
4種類から承りますよ」
『…へぇ。 研磨くんのお家に持って帰る?』
「…え、いいよ。近くだし、食べたかったら来れるし」
『…そっかぁ。そうかぁ。 うーん』
「まぁ、またでいいよ。 公園いこ」
『…ん。 またの機会に』
前みたいにおれがかごにスケボーを突っ込んだ自転車を押して
穂波がアイス2つ持って… ってして公園まで歩く。