第20章 banana pancakes
さっとシャワーを浴びて出ると朝ごはんのいい匂い。
『いつでも食べれるから、食べるとき言ってね』
「…ん、もう食べる」
おにぎり(鮭、梅干し)、大根とわかめの味噌汁、
卵焼き、モロヘイヤおひたし、トマト、ぬか漬け
味噌汁以外、竹でできたザルに乗ってる。
「ザルだ」
『…笑 おむすびの朝ごはんにしようと思ったら、ザルに乗せたくなった』
「…ん、いいね。 美味しそう。 いただきます」
合宿で食べても穂波の味だったけど、
やっぱ家で作ってもらうのは違うな…
美味しい。
量もいつもちょうどいい。
食後にさくらんぼを食べた。
遊児の家族から送られてきたらしくて、すごく美味しかった。
遊児たちの学校はインハイ予選、県ベスト4だったって言ってた。
穂波から聞いた、
練習の説明はやっぱよくわかんなかったけど、
でも遊児っぽい感じはちゃんと伝わってきた。
春高予選で、翔陽たちと対戦する可能性もある、ってことだよな。
ここに比べたら、学校数少なそうだし…
「あ、穂波」
『…ん?』
「今日さ、アイス屋いこ」
『…うん!嬉しい』
昨日クロに言われて、初めておれん家きたときのこと思い出して、
アイス屋行ったなって思った。
…それで、なんとなく。
なんとなくだけど、アイス屋行こうかなって思った。
別に一年経ったから、とかじゃないけど。
…なんとなく。