第5章 夏
ー研磨sideー
「…喉も渇いたから、麦茶ももらってきていい?」
『…うん、もちろん』
写真を一緒にみたら向こうでの話をしてくれるかなと思って頼んだら、
やっぱりいろんな話を聞かせてくれた。
遅くなるからキスをして、抱きしめて、
ほわほわしてから帰ろうと思ってたんだけど、
気がついたら止まらなくなってた。
手も勝手に動いて、
どんどんと穂波に触れることの気持ちよさを身体が知ってしまった。
一度、手を止めたときやめようって思ったけど、
トロンとした穂波の目を見たら、そんな気持ちどっか行っちゃって
もっと触りたい、と伝えてた。
クロが言ってたことはこれか。
もらっておいてよかった。
冷蔵庫から麦茶を取り出してグラスに注いで飲む。
さっき手伝ったときに、冷蔵庫を開けたので勝手を知ってる。
穂波も飲むだろうからこれ、持って上がろう…
ソファのとこに置いておいた鞄から財布を取り出す。
携帯にちょうどメールが入って、通知が入る。
シャワー浴びてから全く触ってなかった。
母親とクロ、それから夜久くんからメールが数件。
電話も何本か入ってる。
母親からは何時に帰るのか、クロに連絡して聞いた、これ以上迷惑かけないように。みたいなことが何通かに分かれて。
クロと夜久くんからのメールを時系列に並べると
クロ【おばちゃんから連絡あったぞー、夜久ん家に寄ってるってことにしてある。帰んねぇの?w】
夜久【おい!研磨!連絡よこせ!】
夜久【お前寝ちゃったから泊まらせてくって電話入れたぞ!明日なんか奢れよ!】
クロ【明日研磨の着替えと弁当、おばちゃんから受け取っていくから、そのまま部活いけよ。】
最後のクロからのメールはさっき通知が来た分。
………………はぁ。なんか疲れる。けど助かった。
22:20。
連絡は…明日でいいや。
穂波のとこに戻ろう。
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