第5章 夏
*微裏*(次のページは裏ではありません)
唇を話すか話さないかのところで、
もう一度、またもう一度…
角度を変えて何度も何度も啄むようにキスをする。
耳に入ってくるリップ音に身体が反応してしまう…
お互いどんどん熱を帯びていくのがわかる…
どちらからともなく舌を絡めて、
今までで一番深いキスをする。
研磨くんの首に腕を回し膝で立ち、研磨くんを跨るようにして何度も何度もキスを交わす。
研磨くんはわたしの後頭部に左手を、腰に右手を回して強く抱きしめてくれる。
研磨くんの右手が、段々と下に降りてきて、
服の上からわたしのお尻に触れる。
手の動きがだんだん、強く大胆になってくる…
ふと、研磨くんの綺麗な指を思い出し、
今は見えない指の動きを想像してゾクゾクが加速してしまう…
唇を離して、研磨くんの頭を胸元に抱き寄せる。
右手が服の下に入ってきて、
直接肌に触れる…
腿をなぞったり、掴んだり、揉んだり…
いろんな動きで肌の感覚を確かめるみたいに丁寧に…
右手の動きに気をとられていると
研磨くんの左手は服の上からわたしの胸に這ってきて…
円を描くように揉んでくる…
掌の動きに合わせて親指でそっと、でも確かに突起に刺激を与えてくるものだから
『…ッン……』
声が漏れてしまって研磨くんの目を上から覗くと
研磨くんは手を止め、わたしの目を見つめてる…
その目は猫のように鋭くて、でも優しい、綺麗な目。
『けんま…くん…』
「…もっと触りたい。…ダメ?」
『…ダメじゃない…でも…コンドームない…』
「…大丈夫。おれ持ってる。…クロがくれた」
『………』
「…ほんとにいい?いやだったらここで止めとく。
おれ、初めてだから ここで止めないと 多分…」
『…いやなわけない。 研磨くんのこともっと知りたい…』
「…ん。…鞄、下にあるからちょっと取ってくるね」
『…うん』