第5章 夏
『…ふふ。聞いてくれてありがとう。いつか研磨くんと一緒に行けたらいいな』
「…ん。」
『お兄ちゃんがね、一度フラを踊ってるとこ、ビデオ回してくれたの。
それ、編集して送ってくれるから、よければまたみてくれる??』
「…うん。見たい。」
『…ふふ。雨の中ね、裸足で踊ったよ。すっごく気持ちよかったの。
最後、光が指して虹も出たの。あー、つながったぁ、って思った
繋がるのは気持ちが良い』
「…へぇ。………ねぇ穂波、こっち…向いて」
研磨くんの方を向くと、
ぐっと腕を引っ張られて、胸の中に抱き止められた。
「…帰る前に、ほわほわしておく」
そう言って、顎に手を添えて優しいキスをしてくれた。
ずっと会っていなかったから、それだけじゃ足りなくって
わたしも研磨くんの頬を両手で包んでキスを返す。