第20章 banana pancakes
ー穂波sideー
お母さんの友達2人が家に来て、
ダイニングでお酒を飲んでて賑やか。
研磨くんはテラス近くのカウチでゲームをしてる。
わたしは今日撮ったレッスンの様子をみながら、洗い物。
…あぁ、当たり前にうちに研磨くんがいる。嬉しいなぁ…
洗い物が終わったので、本をもって研磨くんの隣に行く。
・
・
・
「穂波」
本を読みはじめて30分くらいしたとこで研磨くんが呼びかける。
『…ん?』
「…明日はカズマ来るの?」
『ううん、カズくん今日から早めの夏休みにして、カリフォルニアに出発したよ。
もう今ごろ着いてるかな』
「あ、そうなんだ。旅行?」
『旅行であり、撮影であり…って感じなのかな。
お兄ちゃん家ずっと留守にしてるから、そこ拠点にして動くって』
「…へぇ、楽しそう」
お。楽しそうだって
『…ね、家で生活っぽいことしながらの旅っていいよね』
「…ん 明日部活くる?」
『んー、明日は家であれこれしようかな。駅まで迎えに行くね』
「…ん」
…ちょっと夜風でも浴びようかな。
テラスの扉を開けて裸足のまま外に出る。
あー気持ちいい。
月はだいぶ欠けてる。
ここは東京だし、そんなに星は見えないけど…
…家の周りをゆっくり一周してテラスに戻ると、
研磨くんがでてきたところだった。