第20章 banana pancakes
手を繋いで穂波ん家まで歩く。
こういうのも久々…
『…クロさん、楽しそうだったね。 …ん?嬉しそう?』
「…あぁ、うん。なんかね、合宿の後からちょっと違うね」
『あぁ、たしかにそのくらいからか。
…心配してくれてたのかな、わたしたちのこと。
それで、安心させれたのかな。もしかして』
「………」
『…ふふ。嬉しいな』
「嬉しいの? …まるで保護者じゃん」
『…嬉しいよ。見守ってくれてるんだもん』
「………」
嬉しいとは思わないけど…
まぁ、安心させれてるなら良かったかな、と思う。
・
・
・
「お、研磨くん久しぶりだね」
シゲさんと心さんに会うのも久しぶりだ。
「こんばんは。お邪魔します…」
お風呂を先に借りて、
それから心さんが作った夕飯をご馳走になる。
ガパオライスとトムカーガイとタイ風の春雨サラダ。
今日は全部タイ風らしい。
心さんはラベルに象が描いてある瓶ビールを飲んでる。
チャーンビールっていうんだって
心「研磨くん明日は部活?」
研磨「あ、はい。午前中だけ」
心「お。明日、志田下のおじいちゃん家行くけど一緒に来る?」
研磨「…え。 …あーと」
心「…笑 いいよ、無理しなくて。一応声かけただけ」
研磨「…あ、いや、無理はしてないんだけど… 穂波は?」
『…うーん? 半分行きたい、半分行きたくない』
研磨「………」
…それ困る
穂波が海にいるの見たいのはほんと。
だけど、いつも通りもいいなぁとか。
『…やっぱ、行かないかな。理由は研磨くんとだらだらしたい 笑』
研磨「………」
心「…オーケー じゃあそれならそれで、家のことよろしくー♡」
『はーい、一泊?』
心「…んー、店のこともあるからもしかしたらもう一泊、また連絡する」
『了解!』
…どうやらこっちに残る事になったらしい。
また時間がたっぷりある時にでも
穂波と遠出できるといいな。