第19章 みかん
ー穂波sideー
「ありがとうございました!」
一旦練習をストップして
宮城へと帰る烏野高校のみんなが揃って挨拶をした。
迫力があるなぁ…
それから大地さんの声はすごく、なんというか。
…あぁ、そのままだ。 大地っぽい。
声だけじゃないんだけど。
集合!とかそういう一言だけですごい威力。
お話をした顔ぶれがちょこちょこと挨拶に来てくれる。
「穂波ちゃん!メシ美味かった!長期合宿でもいるんだろ?
あ!衛助くんから穂波ちゃんいろんな国行ってるって聞いた!また話そうな!」
『あ、うん。また話そうね。夕君、ありがとう!』
夕くんはばーっとそしてはきはきと伝えたいことを伝えると
さっと走っていってしまった。
なので、わたしの返事は背中に向けて発せられたもの。
夕くんは走りながら振り返って、拳をあげた。
…かっこいい人だな。
光太郎くんと並ぶ2大ヒーローって感じ。
「穂波ちゃんっ 穂波ちゃんと台所いるとほっとしたっ
家に帰ったらいろいろ予習して身につけていきます!」
『うん、わたしも仁花ちゃんと料理するの楽しかった。ありがとう。またすぐに会おうね!』
仁花ちゃんはやっぱりかわいい。
そしてなんだろ。まだまだだっていう向上心がどこか翔陽くんと似てる。
似てるのは赤くなって固まったりするとこだけじゃないなって思った。
「穂波ちゃん、2日間ありがとう。長期合宿でもよろしくね」
潔子さんは、やっぱり潔くて美しくて、
どきどきむらむらしちゃうし…
「穂波ちゃん!ありがとう!また話そうね!」
山口くんのかわいさはそばかすだけじゃなくって、
このっ なんだろう なでなでしてあげたくなる感じ。
こんな弟がいたらかわいいだろうな。彼女でもいい。