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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第19章 みかん


ー月島sideー





「ツッキー!」





昼食を食べ終え、食器を返して廊下を歩いてると、
山口が後ろから走ってくる。





僕が席を立ったとき、日向はお代わりしてたけど、
ほんと食べた分どこにいってるわけ?
脳みそに行ってるわけでも全くないようだし。






「ツッキーあのさ、昨日の穂波ちゃん。2年生だって」

「…そんなこと僕知りたいって言った?」

「いや、言ってないんだけど… 2年生だって聞いてさん付けに直そうとしたら、
気にしないで呼びやすいように呼んでって」

「…あ、そう。それだけ?」

「あっいやそれでさ、気になって今日、谷地さんに聞いたんだけど、
昨日泣いてたのは嬉し涙なんだって」

「…は?」

「泣いてたっていうか、目が腫れてた、が正しいかな」

「………なにに喜んで泣いたわけ」






あのチャラそうな男にプロポーズでもされたとか?






「なんかね、フラダンスを教えてるんだって毎週土曜日に。
キッズ向けのクラスだからいつもは日中にしてるのを昨日は夜にしたら、
普段合わない親御さんも迎えに来て、それでいろいろ嬉しいことを言ってもらったんだって。
それで帰り道泣いちゃったらしいよ」

「あ、そ。よかったね。 …僕には関係ないけど」

「でもすごいよね!高1の10月に始めたんだって、教えるの。
普通のバイトとも違って… 自立してるっていうか、かっこいいよね!」

「………」






…かっこいい、ね。








まぁ、確かに、かっこいいかもね。








でもだからって、ほんと、僕には関係ないことなのに








「ねぇ、ツッキーも話してみたら?すごい…」

「山口、昨日も言ったけど僕は興味ないから。山口が話したいなら話せばいいじゃん」

「…あぁ、うん。ごめん、ツッキー」








なんで山口は僕にあの人の話をしてくるのさ。









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