第19章 みかん
雪絵さんと真子さんと昼食の準備。
雪絵「…それで昨日、赤葦とはどうだったの〜?」
真子「私もそれ聞きたくて仕方なかった!」
『京治くん?再会を祝して、お茶を飲みながらお話ししました。銭湯へも送ってくれて』
雪絵「へぇ〜 何話すの?」
『…何話したかな?本のこととかかな、話は尽きないんだけど…』
真子「銭湯入ってる間待っててくれたの?」
『あ、ううん。玄関でちょうどクロさんに会って、帰りは俺が送ってくからって』
真子「なにそれーーー黒尾くんーーーー!」
『そうなんです!そう言っておきながら研磨くんを派遣してくれたんです!』
真子「……………」
雪絵「…ん?…あれ? 新しいの出てきた?」
真子「研磨くんって、音駒のセッター?」
雪絵「だよねぇ、孤爪くんだっけ。 なんで孤爪くん?」
『研磨くんはわたしの大好きな人です』
「「えええええーーーーーーー!!!!!」」
雪絵「えぇ、知らなかった」
真子「えぇ、じゃあ昨日2人きりにしたのとか余計なお世話じゃん」
雪絵「今日、調理室で食べてるなぁとは思ったけど、人混み避けてるだけかと思ったぁ」
真子「えっ 大好きな人って付き合ってるってこと?片思い?彼女?」
『あ… えっと… はい、研磨くんの彼女です………』
あぁ、自分で自分を彼女というのは恥ずかしい。
雪絵「そういえば木兎が穂波ちゃん穂波ちゃんって言ってたとき、
孤爪くんの名前も連呼してた気がするなぁ」
…そんなことがあったのか。
研磨くん…その時どうしてたんだろ。
真子「えー、じゃあ木兎くんは研磨くんの彼女だって知ってて好き好き言ってるってこと?」
雪絵「そういうことになるねぇ」
真子「え、それを孤爪くんは黙認…してるの?」
『………黙認? んーと…』
…上手く答えることができない。
『研磨くんと木兎さんは、お話したそうです。内容については、ちょっと…』
雪絵「まぁ、そうだよね」
…そんな感じで話題は変わって、
手を動かしながら話に花を咲かせた。