第19章 みかん
ー穂波sideー
今日もまたわたしと仁花ちゃんで
最後残って片付けと仕込みを並行していたのだけど、
選手の人たちもマネのみんなも食べ終わって、
終わりが見えてきたので仁花ちゃんにも体育館へ行ってもらった。
仕込みも終わって、あと少し洗い物をするだけ。
…今朝の研磨くん、かわいかったな。
ぼーっとしてて、ぽつぽつと言葉を溢すように喋って。
バレーはシーズン真っ只中でそんな場合じゃないけど、
また研磨くんとごろごろだらだらしたいなぁ…
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体育館に来てみると、音駒は烏野と試合してた。
犬岡くんからノートを引き継いで、スコアをとっていく。
初めてみる、翔陽くんと影山くんのプレー。
…ヨクワカラナイ!
速すぎて。
そしてそんなよくわからない速さに対応してるリエーフくん初め、
音駒のみんなすごい。
…研磨くんのおいでおいでをみれた。
サーブの前に、リエーフくんにおいでおいでって。
おいでおいで。わたしもされたい…
…だめだめ、集中。
翔陽くんは、ほんとにお日様みたいな印象を受けるんだけど…
それでいて、なんというか。
乾いてる。お腹を空かせてる。
…もっともっと高みを目指してるっていうのかな。
周りに光や水を与えながらも貪欲。
貪欲でありながらも奪うことはしない、というか。
どんどん吸収していく感じがする。
研磨くんがおもしろい、と言っていた感じを、
この少しの時間で分かった気がする。
魅力的な子だ。
…わたし、まだ自己紹介できてないんだよなぁ。