第19章 みかん
夜久「皿返しにいったら音駒のマネとセッターがチューしてたって生川のやつらが噂してたぞ」
『…あいすみません』
黒尾「なに研磨お茶もらってんの?優雅だねぇ」
研磨「…別に」
『あ、クロさん!クロさーん!クロさーーーん!』
抱きつきたいけど豚肉触ってるからできない。
黒尾「…なんであんなに嬉しそうに呼ばれてんの俺」
研磨「………クロさん大好きー! って昨日言ってたけど。 …それでじゃない?』
黒尾「なるほどねぇ …研磨、それ飲んだら準備済ませてこいよ。
穂波ちゃーん、俺も大好きー! あとで愛し合おうなー! メシごちそうさま〜」
『うん!たっぷりとー!わたしもクロさん大好きー!』
クロさんと夜久さんは調理室をあとにした。
黒尾「…たっぷりとって いや誤解招くっつーの」
夜久「最初に言い出したのはお前だろーが」
黒尾「………」
・
・
・
「穂波、ご馳走さま」
研磨くんがゆっくりと立ち上がる。
『うん、いってらっしゃい』
「…ん」
研磨くんは去り際に頬にキスを落としていった。
「…納豆ついたかも」
『…………///』
研磨くんが口元についた納豆のネバネバを拭かないわけがない。
絶対ついてないけど…
ふいうちでドキっとしたぁ
ドキドキしてる間に研磨くんはすたすたと調理室を出ていってるし…
仁花「穂波ちゃん、大丈夫ですか?顔が赤いです」
『…あっ うん。大丈夫だよ、ありがとう』
「こっちの手伝い任されました!」
『お、ありがとう。じゃあ………』
仁花ちゃんは手際がいい。
…マネさんみんなだけど。
単純に包丁など技術的なことに慣れてるだけじゃなくて、
賢さが滲み出てるというか。
こうして一緒に台所に立つのが楽しい。