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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第19章 みかん


ー穂波sideー



「…まぁ、いいよ。大したことじゃない。
練習のあとはご飯もお風呂もずっと翔陽と犬岡と一緒にいた」

『…そっか。犬岡くんと翔陽くんも仲がいいんだね』

「…だね。たまになに喋ってるかわかんないけど、2人は理解できるみたい。
…穂波も一緒に喋れるんじゃない」

『えぇっ それって喜んでいい流れ?』

「んー、どっちでも。擬音が多い。ばびゅっとかズバッとか…」

『あぁ…』





…それは確かに、話しやすいかも。
え、研磨くんはいつもわたしのそれをなに言ってるかわかんないって思ってたのかな。





「…ふ 笑」

『………』







…随分ゆっくり歩いたけど、もう正門に着いちゃった。







「穂波、部室行こ」

『えっ』

「鍵持ってきた。電気、つけれないけど。バレたら怒られる」

『うん、いく。まだ帰りたくない』

「ね、もうちょっとだけ2人でいよ」

『…ん』





なんだか人の多さや初めての空気で分からなくなってたけど、
部活に所属したことのないわたしには、
学校に泊まるなんてあり得ないことだった。
…今更、どきどきしてくる。



放課後も周平が日本にいたときは周平と遊んだり、
レッスンに行ったり、ひとりの時間も好きだから家に真っ直ぐ帰ったり、
学校に残るってこともよっぽどなくって。
夜の部室にこっそり入るなんて。
…あぁ、ちょっとドキドキがとまらない。






「…穂波?」

『どきどきしてしまって…』

「…?」





部室の鍵が空いて、中に入って扉を閉める。
一日中締め切っていた部室の中はむわっとしてる







「…閉めると暑いな、 …でもな」






靴を脱いで上がって…
暗いし…
でも暗いけどうっすらちゃんと見えるし…
いっぱい話したし…






研磨くんはパイプ椅子に座って
とんとんと脚を叩く







「穂波、こっち来て」











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