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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第19章 みかん






『それで、みんなでケーキ食べた』

「なにそれおれも食べたい」

『…ふふ。ツトムくんとこのケーキをね、マネージャーのみんなで。研磨くんも今度食べようね』

「…ん」

『そしたら、京治くんが調理室に来て、空豆むくの手伝ってくれた』

「…へぇ。話したいって言ってたもんね。話せた?」

『うん、手を動かしながら喋って、気づいたらマネージャーのみんないなくなってて』





…そういう気とか、効かせなくていいのに。
あ、でも自分が赤葦だったら嬉しいか。






『作業も終わりにして、お茶飲みながらお話したよ。
わたしのお下がり?の本、面白くて2部目も買ったって。嬉しい。
わたしも京治くんがお勧めしてくれた本、読んでるんだけどおもしろい、って
話が静かに盛り上がった。 …そう、話が静かに盛り上がるの。
弱火でことこと、いつまでも って感じ。京治くんとの会話は』

「ふーん」

『で、銭湯まで送るって言われて断ったんだけど、
何かがあったら俺が嫌だからって言われて、研磨くんに言われたこと思い出した。
そっか、そうだよなって思ってお願いすることにして、そしたらクロさんに会って今に至る』

「そっか」

『あ!』

「わ」





いきなり大きな声。
…穂波はそれでも煩くない。かわいい。






「…なに?」

『研磨くんにこうして今会えてることと
クロさん大好きとは別でもう一つすっごく嬉しいことがあったの!』

「………」






赤葦のことだったらチョットやだな…






『山本くんがね、普通に喋ってくれるようになった!』

「お。なんでまた」

『わかんないけど、多分、おじいさんと一緒に作業したからかな?積荷を下すっていう。
お野菜下ろし終わったら、普通に喋ってくれてた」

「へぇ、よかったね」

『そこに反応するとまた元に戻っちゃうかもしれないから、一人噛み締めるように。
…あ、でも犬岡くんもわかってくれて、目配せでお話ししたよ』

「あー、犬岡。 おれもさっき犬岡ナイスって思った」

『犬置かないス』

「違う、犬岡、ナイス」

『…ふふ なんで?なんでそう思ったの?研磨くんの話も聞かせて?』





あーこの顔、この声。 
…ほんっとかわいい。なんなの。







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