第19章 みかん
ー研磨sideー
【レッスン終わって、生徒さんや親御さんたちとお話してて、今から出ます。
少し時間押しちゃってごめんなさい。ツトムくんが夜道一緒に歩いてくれるそうです。笑】
翔陽と犬岡の座ってる席に座って食べてると
ほれ、と言ってクロがメールを見せてきた。
メールの送信時間は20:30
今、20:40だから、そろそろ帰ってくるかな。
「…ん」
クロ「時間押しちゃってっつっても、あっちは仕事だもんなぁ、報酬もらってやってる。
こっちがボランティアだってのに… ありがたいっスわ」
研磨「…うん、そうだね。生徒も増えたって言ってたし」
クロ「へぇ、何人くらい教えてんの?」
研磨「最初8人だったのが、今12人だって」
クロ「おー、すげー。ちゃんとしたバイトっつーか、仕事じゃん」
研磨「…ね」
クロ「安く見積もって一人あたり手取りが1000円だとしても… 1時間半で1000×12…」
研磨「クロ、その考え方下衆………」
クロ「…………」
研磨「…………」
クロ「…じゃ、俺はお先に風呂に行ってきます〜 メシうまかったな!
穂波ちゃんが全部仕込んでいったらしいぜ〜」
…やっぱり。
2種類のカレーも、サラダも、肉もピクルスも、全部穂波の味がした。
…ピクルスは穂波の家から持ってきたのかな。
そんなにすぐ漬からないよね。
春にオーストラリア行く前の車でカレー食べたいって言ってから
なかなか機会がなくって食べれずにいた。
穂波のカレー、美味しい。
翔陽「なぁ、音駒合宿って風呂どうなってんのー?」
研磨「…あぁ、近くの銭湯、時間決めて貸し切りにしてもらってる」
翔陽「へぇぇぇ!銭湯!なんかわくわくすんな!」
犬岡「だよな!翔陽、一緒に行こーぜ!」
翔陽「おぅ!研磨もな!」
研磨「………」
声が響いてうるさそうだな……