第19章 みかん
ー穂波sideー
「穂波」
光太郎くんたちが梟谷の人たちのとこに戻ると、
研磨くんが来てくれた。
『研磨くん、あのね…』
「丸の内で会ったの赤葦だった?」
『…!すごいね、研磨くん。そう、そうなの。興奮してしまった』
…ハグ、嫌だったかな。
いや、ハグはいやじゃない、前にも言った。
って何度か言わせちゃってる。
信じて、謝るのはやめよう。
「…ふ 笑 …でもほんとすごいね、よかったね」
『うん。時間があるときに少し話そうって言われた。良いかな?』
「…別にいいけど。 …そんなこといちいちおれに確認とらなくていい」
『…ん。わかった』
「黒尾ー!烏野がそろそろ到着するから、表出て待っとけー
残りのやつらはアップ取っとけよー!」
烏野…!
翔陽くん。
よく飛ぶみかん色の翔陽くん。
クロさん、海さんが外に向かって歩いていく。
山本くんが自分も行っていいかとそわそわしてる。
「…穂波ちゃーん、おいでおいで〜」
雪絵さんがおいでおいでしてる。
『じゃあ、研磨くん。ダメなところやして欲しいことがあったら何でも言ってね』
「…ん。 …して欲しいこと?」
『うん。少しでも、お役に立ちたいです』
「…ん。 …じゃあ、よろしくね」
研磨くんのもとを後にして雪絵さんの方へ行くと、
生川高校と森然高校ののマネージャーさんを紹介してもらった。
真子さんと英理さん。
部員の数も多そうだからもっとマネージャーも多いかと思ったと呟くと、
部員の数が多いから、合宿に参加できない子の方が多いと教えてくれた。
後輩マネさんは、そっちにいるそう。
…そっか。そういうものなのか。
何もかもが初めてで、なるほど…の繰り返し。