第19章 みかん
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「穂波ちゃーん!山本のおじいさんみえたわー!
山本も行って荷下ろし手伝ってこーい」
夜久さんに言われて車の方へと走って向かう
『おはようございます。今日はわざわざありがとうございます!』
軽トラの前で待っている男性に声をかける。
「おぉ、よくに日焼けた健康そうな子だなぁ!
なぁ、猛虎、こんな子を選ぶといいぞぉ」
「じっじいちゃん……」
荷台には段ボールに入ったたくさんのお野菜。
『うわぁ、どれもこれも美味しそう』
「こっちは露地で、この辺はハウスの分だ」
「じいちゃん、こっちまで寄せっててくれよ。俺下ろしてくから」
山本くんはさテキパキと段取りを進めてく。
お野菜に見惚れてる場合じゃない。
全部おろして、おじいさんにもう一度お礼を言って見送る。
『すごいね、こんなにたくさんの種類のお野菜育ててるんだね』
「あぁ、まぁ、人に食べてもらうのが好きみたいなんだよなー」
…山本くんが普通に喋ってくれるようになってる!
おじいさんとの作業に混ぜてもらった効果だろうか。
うれしい…!
「じゃあ、これ調理室の前のとこまで運んでくか。
穂波ちゃんそっちの軽い方な」
「猛虎さーん!俺も手伝います!」
犬岡くんも駆けつけてくれて、3人で野菜を運び終えた。
わたしはそこに残って、
お野菜の種類や量をみていく。
…本当にたくさん。ありがたい。
作らせてもらうのは、今日のお昼から明日のお昼まで4食分。
お米は各自持参してもらってそれを炊くとのこと。
…お米を受け取ってから入れとく箱も用意しとかなきゃ。
…あ、買い物リスト、作ろう。