第19章 みかん
7月7日(土)
朝、他校の部員が来る前に音駒部員は集まって、
体育館や泊まる部屋、食事を食べる部屋の準備をする。
「えとー、 あのっー、 穂波っ 穂波っ 穂波ちゃんっ」
山本くんがわたしの名前を呼んでくれた………!
クロ「ブヒャッ 笑」
夜久「勢い余って呼び捨てしちゃってんじゃねーか 笑」
海「でもすごい、勇気と進歩だぞ」
研磨「…ふ 笑」
『はい、山本くん』
「はぅあッ!!!」
山本くんが後退りする。
走って逃げちゃうかな…
『…今日、明日とよろしくお願いします。
足りないこと、やって欲しいこと、目につくこと…なんでも言ってね』
…山本くんは女子に優しい?から言わないことを選んじゃうかもしれない。
「はうぅぅぅぅ… 」
クロ「おい山本ぉ!穂波ちゃんもお前もやることあんだぞー!
あんまそこで時間食ってんじゃねーよー!」
夜久「様子が気になって俺らも動けねーしな 笑」
山本「だっ 黒尾さんすみません! 穂波っ 穂波ちゃんもすまん」
『…いえ、わたしは………」
山本「けっ 研磨ぁ!!………」
研磨「え………」
クロ「研磨、行ってやれ、あれじゃいつまで経っても終わんねぇ」
研磨「………」
研磨くんがこっちに歩いてくる
研磨「今日、虎のお母さんが食材の買い出しに連れてってくれるって聞いた?」
『あ、そうなんだ。部員の保護者の方がということしかまだ知らなかった』
研磨「多分それが言いたかったのと、
あと、それとは別で、虎のおじいさんが野菜持ってきてくれるって。
虎、これでいい?」
山本「おっ おぉ……」
研磨「野菜の方は多分、そろそろだと思うよ」
『うん、わかった。研磨くんも山本くんもありがとう』
山本「はうぁっっ…」
研磨「虎、もーいい加減にして。 行くよ、まだやることある…」
山本くんのおじいさん、畑やっておられるんだ。
…朝獲れ野菜かぁ。よだれでる…
おじいさんがみえるまでに
さっと既存の調味料の確認しておこう。