第5章 夏
「おはよ。笑 そっかそっちは朝なのか!いいなぁ、ハワイ。行ってみたい」
「ハワイ!ハワイの海!」
『………』
「…うっす、穂波ちゃん。研磨、そろそろ起きろ。ぼちぼち片付けもあるぞ」
「…ん。………あ、穂波」
研磨くんがのそのそと四つん這いで画面に近づいてくる。
「
ごめん、寝ちゃってた。おはよ、穂波。」
『ふふ、わたしも研磨くんの寝顔に見惚れてたら気付いたらねてたみたいで。
さっき起きたの。その間Skype繋がったまんまにしちゃってて、ごめんね』
「…ん、平気。…なんかそろそろ片付けして帰るみたい。」
『うんうん。もうすぐ帰れるね。最後片付け、がんばっ…』
「お、さっき寝てたやつ起きた?」
着替えてきたお兄ちゃんが隣に座る。
『あ、お兄ちゃん』
「で、どいつが彼氏?」
『…んとね、髪の毛の黒い子』
「いや、5人中3人髪黒いから。…でもわかる。寝てたやつだな」
『うん、…研磨くん?』
知らない顔が突然画面に現れたからか、
研磨くんは後ろにずりずりと下がっていってた。
『研磨くん、この人がお兄ちゃんです。
お兄ちゃん、彼がわたしの大事な研磨くんです。』
「…おぉ。研磨!俺はアキ!また日本帰ったら会おうなー
穂波のことよろしくー♪」
「………」
(研磨の後頭部を小突きながら)
「っおい!」
「…あ、ぇーっと… はい」
「………すいません、ちょっとこっちの片付けが始まってまして…ここで失礼します。」
『あ!クロさん、夜久さん、お二人さんっ。合宿お疲れ様ですっ。
研磨くん、またね』
「…うん、また」
・
・
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「なー、研磨ってやつは寝起きだからあんなボケっとしてんの?」
マーケットでデリを買って、芝生に座って朝食を食べているとお兄ちゃんが聞いてきた。
『ボケっとしてたのは、寝起きだったからかな。
んでも、普段もわりとあんな感じかも。でも、しっかりしてるんだよ』
「…ふーん。前のやつとは雰囲気違うのな。」