第5章 夏
ー穂波sideー
話をしながら研磨くんは寝転がって、うつ伏せになった。
携帯電話を木に立てかけたのか、
うつ伏せの研磨くんがぼんやりと話す様子はたまらなく愛おしかった。
研磨くんの目がだんだんトロンとしてきて、
これは…?と思って見ていたら、研磨くんは草むらの上でスヤスヤと眠り始めた。
…これはなんと!眠る研磨くんっ しかもうたた寝ってたまらなくかわいい。
もうしばらく寝顔を見てから切ろう。
ビーチで研磨くんの寝顔をみたり、
お兄ちゃんのサーフィンをみたり、
ボーッとしたりしてるのを繰り返してるうちに
わたしにも睡魔が襲ってくる。
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ー黒尾sideー
「なぁ黒尾、研磨あそこでしばらく寝そべってるけど、あれ寝てね?」
夜久に言われて裏山の端を見てみると
うつ伏せで動かない研磨。
…ゲームしながら寝たのか…あいつちゃんと食ったのか?
「…だなぁ。全然気が付かなったワ」
坂を登って研磨の方に向かう。
「けーんま。おい。起き…ろって、黒尾これ」
指差した先には研磨の携帯に映る穂波ちゃんの姿。
膝を抱えるようにして、眠ってる。
…砂浜か?
「よく眠るお二人ですこと」
「…なんか、絶妙な感じでエッチィなぁ…」
夜久はおそらくたらんと下に垂れたワンピースの裾から奥の方がみえそうでみえないことを指してるんだろう。
「…研磨も男なんだなぁ。
穂波ちゃんともうそういうこともしたのかな」
「…いや、まだシてねぇんじゃない。…こいつら全然読めねぇからわかんねぇけど」
「…だよな!付き合いだしてまだそんな経ってないもんな。
おれも4月に研磨と会ってまだ数ヶ月だけど、研磨に彼女とかこうなんか、くるものあるわァ」
「………だなァ」
「おーーーーーい!黒尾ーーーーー!」
…あ、うるせーの来た。
坂の下から大声を出しながら向かってくるのは他でもない、木兎。
「…あぁー 笑 研磨たちどうしよ」
「…ま、どのみちそろそろ起きたほうがいいだろ」