第17章 GW
ー研磨sideー
『はい、もしもし』
「…穂波、なにしてた」
『ん?寝る前のストレッチして、いろんなこと思い出してた』
「…いろんなこと」
『研磨くんのこと、烏野高校のこと、クロさんのこと、遊児との散歩のこと…』
「クロ?」
『クロさん、烏野高校とゴミ捨て場の決戦だっけ?できたらな、って言ってたなって。
猫又先生の話も聞かせてくれたなって』
「…ふーん」
『研磨くんはなにしてた?』
「ゲームして、虎ががやがやしてた」
『がやがや…』
「穂波のこと思い出して、声が聴きたくなった」
『………///』
「しょうよう」
『…しょうよう?』
「髪がオレンジ色で、なんかみかんみたいな太陽みたいな感じ」
『………烏野高校の子?』
「うん。穂波とは全然違うんだけど、でも太陽みたいなとこは似てる」
『…へぇ。いつか会えるかな。会えるといいな』
「…ん。 …穂波、非常食美味しかった」
『うん、よかった。 …ふふ』
「………」
『研磨くん、今外にいる?』
「ううん、ロビーみたいなとこ」
『窓、ある?』
「…あるけど」
『月、みえるかな』
窓を開けて外をみると丸い月が見えた
「…うん、みえる」
『明日、満月だよ。明るいね』
「うん、明るい」
『…ふふ』
…………なんだっけ。
「…月が綺麗ですね」
『………』
………違ったっけ。
「………」
『…ええ、そうですね………』