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【ハイキュー】   “波長”   【孤爪研磨】

第17章 GW


ー研磨sideー




『今はまだオーストラリアだよ。少ししてからブラジルに行くって。リオデジャネイロ』

「ブラジルか… 遠いね」

『…ね。いつか行ってみたいなぁ』

「…治安悪そう」

『中南米はその類のエピソード耐えないよね。みんなそういう話一つは持ってる気がする』

「みんな?」

『あ、あの辺り行ったことある人たち』

「…あぁ 例えば?」

『ひったくりとかスリとか強盗とか… ATMでお金下ろすようにナイフで脅されたり…
でもそれはいい方で、それ以上のこともいろいろ聞くよね』

「…なんでそれ聞いても行きたいって思うの」




普通行きたくなくなるとこじゃないの。
…おれは行きたくない




『…なんでだろうね? ほんとそうなんだけど、みんな好きっぽいんだよね。
みんな痛い目にあってもまた行きたいっていうし、ハマる人は何度も行ってるし…
どんな魅力があるんだろうね。自然も壮大だろうなぁ』

「………」

『ビーチバレーも盛んだよねぇ、ブラジルって』

「…あー確かに。…サーファーも多いの?」

『行ったことないからよくわかんないけど、多いんじゃないかな。盛んだと思うよ。
水質はちょっと、改善の余地ありみたい』

「…なんか想像つく。なんとなくだけど」

『んね…』




話が一息ついたところで
穂波はこてんと芝生に寝転がった







「あ、クロ」

「おー研磨」






クロがこっちに向かって歩いてくる。







「GW、遠征きまりそうだワ」

「…遠征?」

「どこだと思う?」

「さぁ」

「宮城」

「………」

「おーい穂波ちゃんパンツ見えそう、俺のこと誘ってる?」





寝転んで本を読んでる穂波の脚は無造作に動いて
確かに危うい。地面に顔を近付けて覗き込めば普通に見えるだろ
暑いので脱いでいたブレザーを脚にかける。





『へっ、クロさん何か言った? …研磨くん、上着ありがとう』

「いんや、解決済」

「…宮城ってなんでまた」





…遠い






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